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[KHR-3HV]手足の水平回転軸増設(サーボモータ増設)

KHR-3HVは標準装備のままでは手足が水平方向に回転動作しません。別売りの拡張用サーボ5個セットなるものがあるのですが、本開発ではKRS-2572 6個セットを購入しました。理由は、

  • ハンドユニット制御用も含め下図でマルをしているサーボ6個を追加したい。
  • ガンダム装甲を追加するため体重が増えることが始めから分かっており、よりパワーのあるKRS-2572を脚部6個のサーボとして使いたい。

からです。KHR-3HV本体を購入して付いてくるのは全てKRS-2552サーボなので、パワー強化をしたいのであれば別売りのKRS-2572を買うしかありません。つまり、脚部の6個をKRS-2572に取り替え、浮いた6個を下図のマルの6箇所に増設します。

option_servo

この記事では上図の赤マル4箇所のサーボモータ増設についてお話しするのですが、この増設に関して特別な説明はありません。というのも拡張用サーボ5個セットを買わなくとも、近藤科学のWeb Siteからそのマニュアルを無料でダウンロード出来るからです。そちらを見て貰えればと思います。

KHR-3HVオプション搭載マニュアル(5軸拡張オプション) Ver1.2

青マルの話はまた今度とさせて頂きます。

Gallery-01 制作過程

制作過程の画像を掲載しておきます。

2015.02.15撮影

glly_01_1

初めての外装の発注。まずは足首だけ。。ほぼKHR-3HVです。

 

2015.05.09撮影

glly_01_2 glly_01_3

足首の3Dプリンタ設計・製造がうまくいったので、足全体まで制作したところです。ぶっちゃけ、思っていたよりうまくできたのでワクワクがとてつも無かったです。

 

2015.05.25撮影

glly_01_4glly_01_5

着々と外装を追加。。。ちなみに頭は、市販品(ガンダムヘッドコレクションVol.1)をそのまま使っています。販売終了してしまっていたのでヤフオクで落としました。発光台座付きなので、目を光らせることもできます。

 

2015.08.11撮影

glly_01_6glly_01_7

肩、バックパック、手首も追加。差し詰めサーボ・ガンダムといったところでしょうか?

[KHR-3HV]足首パーツの新規設計

続いて足首パーツのガンダム化についてお話します。KHR-3HVの足首パーツはこちら。正式にはバスタブソールというそうです。ガンダムの足を知っている方なら一目瞭然ですが、このままではどう頑張ってもガンダムの足首には見えません。これも自作する以外の選択肢はありません。例によって3D-CADで設計しました。

Ver.1の足首のモデルデータと実物がこちらです。

ancle_v1

これは結果的にこれはボツになりました。付属ソフトのHTH4を使って歩行検証を行ってみたところ、どうやっても歩けそうな気配がなかったためです。3週間ぐらい試行錯誤して粘りましたが全くダメでした。歩けない理由は、足の裏の前後方向の長さが長すぎたためです。安直ですが、始めは長いほうが立った時に安定するので良いだろうと考えていました。ところが歩かせてみると、この細長い足首が災いしてスムーズに前方へ体重移動ができないんですね。スキーの板やスキューバの足ヒレを付けたままでは歩きにくいことを考えれば容易に想像出来ると思います。以前紹介させて頂いた「人のように自然に歩く」KHR-3HVの動画のロボットの足首も小さいものに改造されていました。全く迂闊でしたね。。

[参考] 動くガンダムに何をさせる?~ロボットにできる事~

仕方なくVer.2として作り直ししました。それがこちらです。

ancle_v2

ガンダムの足としておかしくない程度まで前後幅を短くしました(わかりにくいと思いますが、接地面の前後幅がVer.1のときは122mmだったのをVer.2では101mmまで短くしました)。どの程度が適切なのか分からず悩みましたが、まずはこれでインターカルチャーさんに発注してみました。

[参考] 3Dプリンタ(サービス)の選定

この足を使って再び歩行検証を行います。するとどうでしょう、だいぶ苦戦はしましたが、ぎこちないながらも、なんとか歩かせることに成功しました。動画は準備中なので、しばらくお待ちください。

更なる歩行モーションの改善はハードが完成した後に実施するとして、次に進みたいと思います。なお、この足首の材質はポリプロピレンです。これを選んだ理由は、インターカルチャーさんのWEB上の情報で

  • 車の試作に使われるほど丈夫とされるナイロンとの物性差がそれほどない
  • ナイロンより軽い
  • スナップフィットにも向いている

ことが確認できたからです。初めての3Dプリンタサービス利用だったので、ちゃんと部品として使えるものなのか不安がありましたが、歩行動作に耐えられるほど丈夫なことがわかりました。同時に、今後の開発もきっとうまくいくという自信がつきました。

忘れていましたが、サーボモータと足首パーツを接続するフレームも今回自作しています。KHR-3HVのこのパーツは制作した足首のサイズに合わなかったためです。

ancle_frame_dsp

 

[KHR-3HV]足の胴体付け根金具の左右入れ替え

この件につきましては、

ガンダムらしい足を実現できるのか?

の①をご覧くださいませ。左右の金具を入れ替えてKHR-3HVの組み立てマニュアルどおりに作ればOKです。

簡単で恐縮ですが、以上です。

[KHR-3HV]足の延長

KHR-3HVの足部分の延長についてお話しします。

[参考] ガンダムらしい足を実現できるのか?

ノーマルKHR-3HVの足はこちらをご参照ください。

[参考] http://kondo-robot.com/ (近藤科学のROBOT製品サイト)

これを以下のように改造したいと思います。この長さで右側の外部装甲のサイズ・形状となります。

leg_frame1

太もも部には2つのサーボ―モータが格納されます。オリジナルのKHR-3HVはこの2つに角度がついており平行でないのですが、今回の改造では平行方向で配置します。

オリジナルで2つのサーボモータ間に角度がついている理由は確認していませんが、恐らく膝を曲げた時に太もも部とすね部を密着するまで曲がるようにするためなのではないかと考えています(こちらをご参照ください)。ガンダムはそこまで膝が曲がる必要がないというか、そこまで一重関節で曲がるようにしてしまうと、外部装甲の形状が大きく損なわれてしまうので、ガンダムとしての形状をできるだけ保持しつつ可能な限り曲がるレベルが達成点になります。この膝のサーボモータは上図のように水平面に直立の方向で設計を進めます。

最近のプラモでは二重関節を使って膝が180°曲がるような構造となっているものもありますが、今回は二重関節にはしなかったというか、設計当時は二重関節案を検討する思考がありませんでした。

今回自作したアルミパーツの分解図が以下となります。板厚は全て1mmです。leg_frame

ポイントというほどのことでもありませんが、サーボモータのでっぱり部分がはまるように穴を空けてあり、あとは外部装甲を固定しやすくする工夫をいくつか施しました。

このアルミパーツを製造用に図面化し、ROBOSPOTで製造を行ってもらいます。

2次元の図面が必要となるので、以下のように196mmx196mm内に収まるように展開して並べ直します。

leg_parts

※ROBOSPOTに発注の際には、加工ルールを守る必要があります。最大加工可能サイズに関しても制限がありますのでご注意ください。

発注するために、上記のデータをDesign Spark Mechanical上で、二次元用の***.dxfファイルに保存し直しします。

作成した***.dxfファイルをROBOSPOTに送付し、パーツの加工を依頼します。

依頼し、製造されたものがこちらです。

almiparts

まだバリが残っている状態なので、バリを削る必要があります。

バリ取りナイフ(スクレーパー)で表面を滑らかにしましょう。ROBOSPOTには多様な工具が置いてあり、注文した人は無料で使わせてくれます。アルミパーツを90°曲げる器具も貸していただけます。

そうして出来たアルミパーツを本体に組み込んだものが以下です。

leg_frame_real

まず第一歩の改造を無事に終えることができ、感動したことを覚えております。(ほっ)

なお、足を延長することにより、標準のケーブル長では長さが不足してしまいます。そのため、以下を購入しています。

ZH接続ケーブルセット【5軸拡張用】

このセットの「ZH接続ケーブルB(ZH⇔サーボコネクタ)550mm」2本が必需品です。もともとKHR-3HV付属の脚部サーボケーブルは450mmなので、100mmも延長すると足首のサーボまで届かなくなります。ZH接続ケーブルは単品で買うと割高なので、セット品で購入するのがおすすめです。実際、5軸拡張も行ったので無駄がありませんでした。

 

それではまた。