続いて足首パーツのガンダム化についてお話します。KHR-3HVの足首パーツはこちら。正式にはバスタブソールというそうです。ガンダムの足を知っている方なら一目瞭然ですが、このままではどう頑張ってもガンダムの足首には見えません。これも自作する以外の選択肢はありません。例によって3D-CADで設計しました。
Ver.1の足首のモデルデータと実物がこちらです。
これは結果的にこれはボツになりました。付属ソフトのHTH4を使って歩行検証を行ってみたところ、どうやっても歩けそうな気配がなかったためです。3週間ぐらい試行錯誤して粘りましたが全くダメでした。歩けない理由は、足の裏の前後方向の長さが長すぎたためです。安直ですが、始めは長いほうが立った時に安定するので良いだろうと考えていました。ところが歩かせてみると、この細長い足首が災いしてスムーズに前方へ体重移動ができないんですね。スキーの板やスキューバの足ヒレを付けたままでは歩きにくいことを考えれば容易に想像出来ると思います。以前紹介させて頂いた「人のように自然に歩く」KHR-3HVの動画のロボットの足首も小さいものに改造されていました。全く迂闊でしたね。。
仕方なくVer.2として作り直ししました。それがこちらです。
ガンダムの足としておかしくない程度まで前後幅を短くしました(わかりにくいと思いますが、接地面の前後幅がVer.1のときは122mmだったのをVer.2では101mmまで短くしました)。どの程度が適切なのか分からず悩みましたが、まずはこれでインターカルチャーさんに発注してみました。
この足を使って再び歩行検証を行います。するとどうでしょう、だいぶ苦戦はしましたが、ぎこちないながらも、なんとか歩かせることに成功しました。動画は準備中なので、しばらくお待ちください。
更なる歩行モーションの改善はハードが完成した後に実施するとして、次に進みたいと思います。なお、この足首の材質はポリプロピレンです。これを選んだ理由は、インターカルチャーさんのWEB上の情報で
- 車の試作に使われるほど丈夫とされるナイロンとの物性差がそれほどない
- ナイロンより軽い
- スナップフィットにも向いている
ことが確認できたからです。初めての3Dプリンタサービス利用だったので、ちゃんと部品として使えるものなのか不安がありましたが、歩行動作に耐えられるほど丈夫なことがわかりました。同時に、今後の開発もきっとうまくいくという自信がつきました。
忘れていましたが、サーボモータと足首パーツを接続するフレームも今回自作しています。KHR-3HVのこのパーツは制作した足首のサイズに合わなかったためです。