「1. フレーム設計(KHR-3HV改造)」カテゴリーアーカイブ

[KHR-3HV]ガンダムバックパックの新規設計

バックパックもKHR-3HVオリジナルのままではガンダムにならないので自作します。(以下がKHR-3HVのバックパックです。)

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実際に3DCADで入力したものが、以下となります。

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ガンダムを知る方々なら、??と思われるところがありますよね。。今回ビームサーベルをどうするのか、悩みました。はっきり言って今の世の中でビームサーベルを実現することはできません。でも、、、ガンダムにサーベルを抜かせたいのです!そのために手の指も稼働式に作りました。

仕方ないので、どうしようもないので、、

ここは、GLCオリジナル仕様(設定)で解決することにしました。初めからビームソード?をバックパックに背負う方式にしたいと思います。それなりに、UC(Universal Century)っぽく見えるようなデザイン(?)にしてみたつもりです。バックパックの構成はこんな感じです。

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図の左側の土台部分には、KHR-3HVのコントロールボードRCB-4HVや各種センサーが格納出来るように最低限のスペースは確保しています。上部に稼働式のフタっぽいものがありますが、これは電源スイッチを隠すためのものです。土台部分を拡大したのが下図。ちゃんとRCB-4HVや各種センサーが取り付け可能となるよう、オリジナルのバックパックを研究して同じようなジョイント部を設けています。

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そして、出来上がった実物がこちらです。

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ちょっと配線がゴチャゴチャしていてわかりづらいですかね。。(まだセンサー類がついていない状態です)

 

[KHR-3HV]オリジナルハンドユニット追加

ガンダムに色々なことをさせるのがこの企画の夢であるので、是非、指の稼働するハンドユニットを制作したい!ビームサーベルやライフルを差し替えなしで握らせたいわけです。

ということでこれも設計してみました。はっきり言って今回の企画で最も力を入れた部分と言っていいです。かなり時間をかけて試行錯誤しました。そして下図のような感じに仕上がりました。

 

下腕にサーボモータを格納し、このモータで指を稼働させます。5本の指先とモータ間をワイヤーで繋いで動かします。

ガンダムの装甲は基本、ポリプロピレンで制作していますが、指の部分は高精度な造形が必要であるため、ABSライク樹脂(インターカルチャーさんに発注)で作っています。

[参考]3Dプリンタ(サービス)の選定

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サーボモータ保持のためのアルミフレームも制作しています。

hanndu2

実際に出来上がったものが以下となります。

handu4

 

以上です。

[KHR-3HV]胸部を背後側に移動

ここではKHR-3HVの胸部ユニットと腹部パーツの接続位置についてお話します。

もとの設計のままで一番気になるのは、頭や肩の位置です。下の図をご覧ください。左側がオリジナルのKHR-3HV胴体部パーツをそのまま流用して横からみた状態です。緑の肩関節パーツに X 印を付けていますが、これが肩関節の前後方向回転軸の位置です。首パーツも含めかなり前に有ります。これだとガンダムとしてポージング取った際に格好悪くなってしまうのは目に見えています。

breast

この場所に回転軸がある理由は、単純に構造と重心の問題だと思われます。使用されているサーボモータは直方体であり、回転軸は前か後ろに偏らざるをえません(この真下は電池を格納スペースなのでサーボを90°回転させて軸を中心にもってくるようなこともできません)。あとはバックパックが重いことを考慮して頭や腕は体の中心より前に配置しているのだと思います(推測です)。

bustframe1

ではどうするか?

今回の開発方針の中でかなり重要視しているのが「ガンプラレベルの格好良いガンダムを作る」であるため、何もしないという選択肢はありません。そこで繋がっているパーツ含め胸部より上は全て背後方向に16mm移動させることにしました。その対処を行った後の絵が、最初の図の右側となります。これでもまだ、更に後ろへシフトしたいところですが、上半身の外装をCADデータ入力して見た目をチェックしたところ、あまり気にならないレベルであることが確認できたので、後方16mmを決定値としました。

bustup

この変更を実施するために新造する必要があるのが、胸部と腹部の接続パーツです。これもオリジナルとガンダム用新造パーツの比較が分かるように下に画像を示しておきます。製造(加工)は例によりRobospotに依頼しています。

bust_new_framepart

以上となります。

[KHR-3HV]手足の水平回転軸増設(サーボモータ増設)

KHR-3HVは標準装備のままでは手足が水平方向に回転動作しません。別売りの拡張用サーボ5個セットなるものがあるのですが、本開発ではKRS-2572 6個セットを購入しました。理由は、

  • ハンドユニット制御用も含め下図でマルをしているサーボ6個を追加したい。
  • ガンダム装甲を追加するため体重が増えることが始めから分かっており、よりパワーのあるKRS-2572を脚部6個のサーボとして使いたい。

からです。KHR-3HV本体を購入して付いてくるのは全てKRS-2552サーボなので、パワー強化をしたいのであれば別売りのKRS-2572を買うしかありません。つまり、脚部の6個をKRS-2572に取り替え、浮いた6個を下図のマルの6箇所に増設します。

option_servo

この記事では上図の赤マル4箇所のサーボモータ増設についてお話しするのですが、この増設に関して特別な説明はありません。というのも拡張用サーボ5個セットを買わなくとも、近藤科学のWeb Siteからそのマニュアルを無料でダウンロード出来るからです。そちらを見て貰えればと思います。

KHR-3HVオプション搭載マニュアル(5軸拡張オプション) Ver1.2

青マルの話はまた今度とさせて頂きます。

[KHR-3HV]足首パーツの新規設計

続いて足首パーツのガンダム化についてお話します。KHR-3HVの足首パーツはこちら。正式にはバスタブソールというそうです。ガンダムの足を知っている方なら一目瞭然ですが、このままではどう頑張ってもガンダムの足首には見えません。これも自作する以外の選択肢はありません。例によって3D-CADで設計しました。

Ver.1の足首のモデルデータと実物がこちらです。

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これは結果的にこれはボツになりました。付属ソフトのHTH4を使って歩行検証を行ってみたところ、どうやっても歩けそうな気配がなかったためです。3週間ぐらい試行錯誤して粘りましたが全くダメでした。歩けない理由は、足の裏の前後方向の長さが長すぎたためです。安直ですが、始めは長いほうが立った時に安定するので良いだろうと考えていました。ところが歩かせてみると、この細長い足首が災いしてスムーズに前方へ体重移動ができないんですね。スキーの板やスキューバの足ヒレを付けたままでは歩きにくいことを考えれば容易に想像出来ると思います。以前紹介させて頂いた「人のように自然に歩く」KHR-3HVの動画のロボットの足首も小さいものに改造されていました。全く迂闊でしたね。。

[参考] 動くガンダムに何をさせる?~ロボットにできる事~

仕方なくVer.2として作り直ししました。それがこちらです。

ancle_v2

ガンダムの足としておかしくない程度まで前後幅を短くしました(わかりにくいと思いますが、接地面の前後幅がVer.1のときは122mmだったのをVer.2では101mmまで短くしました)。どの程度が適切なのか分からず悩みましたが、まずはこれでインターカルチャーさんに発注してみました。

[参考] 3Dプリンタ(サービス)の選定

この足を使って再び歩行検証を行います。するとどうでしょう、だいぶ苦戦はしましたが、ぎこちないながらも、なんとか歩かせることに成功しました。動画は準備中なので、しばらくお待ちください。

更なる歩行モーションの改善はハードが完成した後に実施するとして、次に進みたいと思います。なお、この足首の材質はポリプロピレンです。これを選んだ理由は、インターカルチャーさんのWEB上の情報で

  • 車の試作に使われるほど丈夫とされるナイロンとの物性差がそれほどない
  • ナイロンより軽い
  • スナップフィットにも向いている

ことが確認できたからです。初めての3Dプリンタサービス利用だったので、ちゃんと部品として使えるものなのか不安がありましたが、歩行動作に耐えられるほど丈夫なことがわかりました。同時に、今後の開発もきっとうまくいくという自信がつきました。

忘れていましたが、サーボモータと足首パーツを接続するフレームも今回自作しています。KHR-3HVのこのパーツは制作した足首のサイズに合わなかったためです。

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